肌の悩みを抱えたとき、「皮膚科」と「美容皮膚科」のどちらに行くべきか迷った経験はありませんか? 一見似ているようで、実は治療の目的や診療内容、保険の適用範囲などが大きく異なります。本記事では、皮膚科と美容皮膚科の違いをわかりやすく解説します。
皮膚科と美容皮膚科は何が違う?
皮膚科は、主に「病気の治療」を目的とした医療機関です。一方、美容皮膚科は、病気というよりも「見た目を美しく整える」ことを目的とした診療を行うのが特徴です。
つまり、皮膚科は健康保険の範囲内で疾患の改善を目指すのに対し、美容皮膚科は自費診療が中心で、肌の美しさを追求するための施術を行います。両者の目的が「治す」か「美しくする」かが大きく異なる点がポイントです。
治療の目的
皮膚科の治療目的は「皮膚疾患を治すこと」。医師の診断に基づき、薬の処方や外用治療、生活指導などを通じて症状の改善を図ります。
一方、美容皮膚科の目的は「見た目の改善とエイジングケア」。医学的根拠に基づいた美容医療を通して、肌の質感やトーンを整えることを目指します。レーザー治療、ヒアルロン酸やボトックス注射、ピーリング、医療脱毛などが代表的な施術です。単なる美容サロンとは異なり、医師が監修する安全性の高い医療美容が行われます。

診療内容
皮膚科の診療内容は、アトピー性皮膚炎、ニキビ、蕁麻疹、乾癬、イボ、水虫、帯状疱疹など、多岐にわたります。外傷や虫刺され、アレルギー性皮膚炎なども対象です。日常的な皮膚トラブルに幅広く対応しています。
美容皮膚科では、主に肌の「美的改善」を目的とした施術が行われます。代表的なものには、レーザーによるシミ・そばかす除去、医療脱毛、ニキビ跡治療、毛穴の引き締め、ヒアルロン酸注入によるシワ改善などがあります。

保険適用かどうか
皮膚科で行う治療の多くは「保険診療」に該当します。たとえば、ニキビ、湿疹、蕁麻疹などの治療は、医師の診断に基づいて健康保険が適用されます。
美容皮膚科の治療は、基本的に「自費診療(自由診療)」です。美容目的の施術は保険が適用されないため、費用は全額自己負担となります。
皮膚科と美容皮膚科のメリット・デメリット
皮膚科のメリットは、医療保険が使えるため費用を抑えながら確実な治療を受けられることです。湿疹やアレルギーなど、日常的な皮膚トラブルに幅広く対応できる点も強みです。デメリットとしては、保険適応でできる美容的な悩みへの対応は限定的で、施術の種類が少ないことです。
一方、美容皮膚科のメリットは、肌の見た目を総合的に改善できる点です。医療機器などを使って、さまざま施術ができます。ただし、自費診療のため費用が高額になりやすく、継続的なケアが必要な施術も多いというデメリットがあります。
まとめ
皮膚科と美容皮膚科は、同じ「肌の専門医」でも目的が大きく異なります。皮膚科は病気を治すための診療を行い、保険が適用されるのに対し、美容皮膚科は見た目を整えるための自由診療が中心です。自分の症状が「治療を要するもの」なのかか「美容的な悩み」なのかを見極めることで、より適切なケアを受けることができます。肌トラブルや美容の悩みを感じたときは、まずは医師に相談し、最適な治療方法を選びましょう。