健康意識の高まりとともに日常的に取り入れられている「健康食品」は、ドラッグストアやスーパー、さらには通販サイトでも目にする機会が多くなり、「体に良さそう」「なんとなく安心できる」というイメージから手に取る人も少なくありません。しかし、「健康食品」の定義や種類についてきちんと理解している人は案外少ないのではないでしょうか。本記事では、健康食品の基本的な定義から購入・摂取する際のポイントまでをわかりやすく解説します。
健康食品とは?
「健康食品」という言葉は、実は法律上の定義が明確に定められているわけではありません。一般的には、医薬品以外で日常の食生活における栄養補給や健康維持、さらには特定の機能をサポートする目的で摂取される食品を広く指しています。
健康食品の種類
健康食品は大きく4つのカテゴリーに分類されます。中でも「保健機能食品制度」に基づいた3つのカテゴリーは、表示や販売に関して一定のルールが定められています。
1. 特定保健用食品(通称「トクホ」)」
特定保健用食品(通称「トクホ」)」とは、「特定の保健の目的が期待できる食品」として、国(消費者庁)から個別に許可された商品を指します。科学的根拠に基づき、「おなかの調子を整える」「血圧が高めの方に適している」など、明確な健康効果を表示できるのが最大の特徴です。商品には「トクホマーク」がついているため、消費者が一目で識別できるのもメリットです。
2. 栄養機能食品
栄養機能食品は、特定の栄養素(ビタミンやミネラルなど)について、一日当たりの摂取目安量の中に含まれる量の基準値が定められており、一定の基準量を満たす場合に限り、国に申請せずに機能性を表示できる食品です。
機能を表示することができる栄養成分としては、下記の20種類になります。
脂肪酸:n-3系脂肪酸
ミネラル:亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム
ビタミン:ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12 、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸
3. 機能性表示食品
機能性表示食品は、事業者の責任のもとに科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。トクホとは異なり、国の審査は不要ですが、販売前に消費者庁への届け出が義務づけられています。
健康食品の選び方のポイント
健康食品を選ぶ際には、いくつかの大切な視点があります。以下の点を意識して選ぶことで、より安全かつ効果的に取り入れることができます。
health food selection- top view
目的を明確にする
まず第一に、「なぜその健康食品を摂取するのか」を明確にすることが大切です。栄養の補助が目的なのか、特定の健康機能をサポートしたいのかによって、選ぶべき種類が変わります。
信頼できる表示と実績を確認する
パッケージに表示されている内容をしっかり確認しましょう。トクホマークや機能性表示の記載、製造元の信頼性、販売実績などが選定基準になります。また、保健機能食品以外の健康食品の場合は、「GMPマーク」が付いている商品を選ぶと、製造工程の管理体制が整っている可能性が高く、一定の品質の目安になります。ただし、機能性や安全性を保証するものではない点に注意が必要です。
医師や薬剤師への相談も検討する
持病がある方や薬を服用中の方は、自己判断で健康食品を摂取する前に、かかりつけ医や薬剤師に相談しましょう。サプリメントとの相互作用によって薬の効き目に影響が出る場合もあります。
まとめ
健康食品は、私たちの健康的な生活をサポートする心強い存在ですが、その効果や安全性を正しく理解し、自分に合ったものを選ぶことが大切です。トクホ、栄養機能食品、機能性表示食品などの制度を活用し、信頼できる情報に基づいて選ぶことで、より安全で効果的な健康管理が可能になります。