「整体院」と「整骨院(接骨院)」は、どちらも肩こりや腰痛など体の不調を相談できる場所ですが、実は大きな違いがあります。名前が似ているため混同されやすいものの、資格や施術内容、得られる効果、保険が使えるかどうかなどに明確な差があります。本記事では、整体院と整骨院それぞれの特徴をわかりやすく整理し、どんな人にどちらが向いているのか、さらに施術院を選ぶ際にチェックしておきたいポイントも紹介します。
整体とは
整体師は、国家資格ではなく、民間のスクールや講座で学んだ知識や技術をもとに開業するケースが一般的です。整体師が持つのは民間資格が主で、法的には“医療行為”ではないため、国家資格は不要です。
整体院では、骨盤・背骨の歪みを矯正し、全身のバランスを整える施術が中心です。主に手技やストレッチ、姿勢改善の指導などが行われ、肩こり・腰痛・神経のしびれといった慢性症状の緩和に適しています。また、姿勢が整うことで血行促進や老廃物排出のサポートも期待できます。ただし、鍼灸やマッサージなど医療類似行為は行えません。また医療保険は適用されません。
整骨とは
整骨院(接骨院)は、国家資格「柔道整復師」を持った施術者でなければ開業できません。柔道整復師は、専門教育(高校卒後3年以上の養成課程)と国家試験を経て、厚生労働大臣から免許を受けた専門家です。
整骨院では、捻挫・打撲・脱臼・骨折・挫傷などの急性外傷に対して、整復(元の位置へ戻す)、固定、電気治療や後療法(リハビリなど)を行います。これらは医療類似行為として認められており、健康保険の適用が可能な場合があります。ただし、慢性症状に対する施術は保険適用外で自費となるケースもあります。
整体院・整骨院、どちらを選べばいいのか
整体院と整骨院の違いを理解しても、実際に通うとなると「どの施術院を選べばいいのか分からない」という方は多いのではないでしょうか。施術者の技術や院の方針によって得られる効果は大きく変わります。さらに、通いやすさや料金体系、保険の適用可否といった条件も、長期的に安心して通えるかどうかを左右する重要なポイントです。ここでは、整体院や整骨院を選ぶ際に押さえておきたいチェックポイントをご紹介します。
施術内容・対応症状
肩こりや腰痛、頭痛など、長年の習慣や姿勢の乱れからくる慢性的な不調であれば、整体院が適しています。整体では、骨盤や背骨の歪みを整え、全身のバランスを調整することで、体が本来持つ自然治癒力を高めます。リラクゼーション目的で利用できるのも特徴で、「病院に行くほどではないけれど不調が続いている」という方に向いています。
スポーツ中の捻挫や転倒による打撲、関節の脱臼といった急性のケガには、整骨院(接骨院)が適しています。整骨院では国家資格を持つ施術者が、整復や固定、リハビリなどの処置を行います。
資格の有無と信頼性
整骨院は国家資格で、法的に認められた施術が得られます。一方、整体院も技術力に差があるため、スクールの信頼性・口コミなどを確認しましょう。
保険適用の可否
整骨院では外傷に対して健康保険が使えるケースがあり、負担を軽減できます。ただし慢性症状には保険が効かないこともあるため事前確認が必要です。
施術費用の明確さ
料金表示が明確であるか、カウンセリング内容や通いやすさも要チェックです。
まとめ
整体院と整骨院には、それぞれ明確な違いがあります。慢性的な不調や姿勢の改善を望むなら整体院、外傷や急性の痛みには整骨院が適しており、保険の適用も可能です。選ぶ際は、自分の症状・通院の目的・信頼性・費用の明確さなどを踏まえた上で、安心できる施術院を選びましょう。