北陸新幹線が金沢から敦賀まで開業し、注目が高まっている福井県。この土地には古くから伝わる伝統工芸品が数多くあります。今回は、そんな福井の伝統工芸品の中から、特に注目されている7つをご紹介します。
1.越前漆器
約1500年の歴史がある越前漆器は、福井県鯖江市を中心に作られています。越前漆器は、その軽やかで繊細な作りや、美しい色彩、そして耐久性の高さが特徴です。椀や箸などの食器類を中心にさまざまな商品があります。伝統品として幅広いジャンルでのものがありますので、飲食店などでも使用されています。
2.越前和紙
福井県で生産される和紙の一種であり、岐阜県の「美濃和紙」、高知県の「土佐和紙」とならび、日本三大和紙のひとつに数えられる高級和紙です。種類も豊富で、奉書紙(のし紙)、檀紙(免状用紙)、書画用紙(書道)、薄様紙(便せん)、鳥の子紙(カード)、美術工芸紙(便箋)などがあります。
3.越前打刃物
約700年の歴史があり、福井県越前市で作られている伝統工芸品です。越前打刃物の製造には、研ぎ師(とぎし)と呼ばれる職人による手作業が欠かせません。また、刃を二枚重ねたまま裏と表からハンマーで叩く技法「二枚広げ」が特徴的です。昭和54年(1979年)には、刃物産地として全国で最初に伝統的工芸品の指定を受けました。
4.越前焼
瀬戸、越前、常滑、信楽、丹波、備前の6つの窯から成る日本六古窯の一つに数えられる越前焼。今約850年前の平安時代末期から始まり、壺・甕・すり鉢の3器種を中心とした生活雑器として主に使用されていました。2017年には、日本六古窯が日本遺産に認定されました。
5.越前箪笥
ケヤキやキリなどの木材を使用し、熟練した職人が手作業で丁寧に加工することで、美しい木目や高い耐久性を実現しています。また、飾りとなる金具には「越前打刃物」、漆塗りには「越前漆器」の技術が使われるなど、細部に至るまでこだわり抜かれた細工や彫刻も越前箪笥の魅力のひとつです。2013年には越前箪笥も国の伝統的工芸品に指定されました。
6.若狭塗
福井県小浜市周辺で作られている伝統的な漆器です。大きな特徴として挙げられるのが、貝殻、卵殻、松葉、糸などを使った『起こし模様』です。平面的な表面に身近なものを使って立体的な模様や図柄を現すことで、製品に奥行きや立体感を与える効果があります。若狭塗箸が有名で、現在では国内生産塗箸の80%以上を占めている。
7.若狭めのう細工
福井県小浜市に伝わる伝統工芸品で、めのうの原石を原料としています。特徴的な鮮やかで半透明な赤い色彩は、独特の「焼き入れ」という工程によって生まれます。椀、箸置き、香炉、盃、珠などのほか、近年はアクセサリーも多く作られています。また、その色合いの美しさから贈り物にもおすすめです。
まとめ
福井県は伝統工芸の宝庫として知られており、北陸新幹線の金沢-敦賀間開業によって注目が高まっています。越前漆器や越前和紙、越前打刃物、越前焼、越前箪笥、若狭塗、若狭めのう細工などの多彩な工芸品は、それぞれの伝統や技術、美しさが光る逸品ばかりです。福井県の工芸品は、日本の伝統文化を感じさせる素晴らしいものばかりですので、ぜひ一度手に取ってみてください。